「ゆこう」って、なに?

柚香(ゆこう)は香酸柑橘類の一種で、ユズとダイダイの自然交配種と推定されています。徳島県の山間部のみで栽培されており、生産量も少なく、八百屋やスーパーに並ぶこともほとんどないため、「幻の果実」と表現されることもあります。地元では古くから「香りユズ、酸味スダチ、味ユコウ」といわれ、そのまろやかさ糖度の高さからすし酢やポン酢などに使われたり、土にうめて春先まで保存して酸味がぬけたころにみかんに代わるおやつとして子どもたちに親しまれていました。腐りにくいこと、果樹にはとげがなく、収穫しやすいことも特徴です。

ゆこうの基礎知識

歴史

ゆこうは江戸時代以前にダイダイとユズが自然交配し日本で誕生したものと推定されています。

生産地

産地は、山間地である上勝町をはじめ徳島県が全生産量の99%を占めています。

収穫量・出荷量

1年間の収穫量・出荷量は、100トン〜500トン程度。ユズの100分の1ほどしかありません。また、表年と裏年では収穫量に大差があります。

利用方法 

現在は、果実の搾汁によるポン酢などへの加工利用がほとんど。青果での販売は僅少です。ただし京都の料亭フランスなど欧州では果汁の瓶詰め等が愛用されています。近年は、地元の事業者によりビールお菓子料理に活用するケースが増えつつあります。

成分

果汁に美容&健康成分(ポリフェノール(フラボノイド)、クエン酸、ペクチン、食物繊維、ヘスペリジン)などが含まれています。実験では腸内細菌バランスの是正口臭物質の減少などの機能性が確認されました。*特許出願中

特許出願中

*2018年 
徳島大学の研究チームが
柚香の抗菌性・整腸または静菌作用について
特許を出願しています
(徳島県より国際特許も出願中)

暮らしに役立つユコウのパワー

ユコウの果汁の抗菌性静菌性は、天然の食品保存料として活用が期待されており、ガンなどに対する抗腫瘍効果抗糖尿病作用、肥満抑制効果なども研究されています。動物実験の結果では、脂肪の多い食事で乱れた腸内細菌が是正されたり、口の匂いの元になる物質が減少したり、歯周病菌の減少も見られたことから、徳島大学の研究チームが柚香の抗菌性・整腸または静菌作用についての特許を出願、徳島県より国際特許も出願されています。

*ゆこうの成分に期待されている用途

天然の食品保存料  ●口腔ケア商品  ●抗菌性を利用した除菌スプレー

*2019年6月17日付の徳島新聞朝刊に、
「ユコウ 果汁に肥満抑制効果 / 上勝特産 新たな活用期待」
という見出しで、ユコウの研究に関する記事を掲載していただきました。

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