RISE & WIN Brewing Co. 田中達也さん
Tatsuya Tanaka, who runs the local beer studio “Rise & Win Brewing Company” in Kamikatsu-cho and Tokyo, is fascinated by the activities of Zero Waste, and has been involved in Kamikatsu-cho to want to transmit it around the world.
「きっかけは上勝町から地域活性化の相談を受けたことです。そこで最初は『上勝百貨店』という食品や日用品を量り売りする店を始めました」。しかし、過疎化が課題である上勝町にとって、もっと大事なことは『外から人を呼んで来ること』だった。
「人を惹きつけ、地域経済を活性化するためには『楽しさ、美しさ、おいしさ、驚き』といったエンタテイメント性が不可欠です。そこで、当時話題になっていたクラフトビールを自分たちで作れば面白いよねとなり、それを量り売りしてゼロ・ウェイスト活動も発信することにしました」(田中さん)。
田中さんは、クラフトビールが人気の街アメリカのポートランドへ視察に訪れ、オレンジピールで香り付けされた地ビールの美味しさに感動。これを上勝のユコウのピール(果皮)でできないかと検討した。
「上勝の人は暮らしのなかでユコウを当たり前のように使っています。ユコウは上勝を象徴する柑橘なんです。ただ、上勝でもユコウの皮はふつう捨てられています。我々にすれば皮にこそ香りの成分が含まれており、果皮は宝もの。そこでユコウの果皮を使ってクラフトビールを作ればおもしろいかなと考えたのです」。
そして出来上がったのが「ルーヴェンホワイト」というユコウの皮で香り付けされたとてもフルーティなビールだった。そこから今ではユコウの果汁を使ったもの、ユコウ果汁と徳島特産の藍をブレンドしたものなど、驚くほど洗練された美味しいビールを次々と生み出している。クラフトビールを目当てに、町外からもお客さんがやってくる。
「いま、うちのお客さんの大半はゼロ・ウェイストを知らずに来ます。
ここに来て初めてこんな取り組みがあると後から知る。
ゼロ・ウェイストに関係なく、自ら進んでここに、それも繰り返し来て貰える魅力がある。そのことが、すごく大事です」。
「ライズ&ウィン」は、店舗のデザインも非常に魅力的だ。町のゴミ集積所にあった建具や家具、廃材などを再々利用して建てられており、例えば建物の窓枠は使われなくなった古民家の廃材、室内のシャンデリアは使用済みのガラス瓶で作られている。ごみゼロの理念を建物でも体現しているのだ。
地ビール工房だけでなく、田中さんは上勝の新しいゴミステーションの建設にも関わっている。
構想7年。ゴミステーション、ラボラトリー、体験型宿泊、ビジネススクール機能も備えた、世界に前例のない画期的な拠点は、2019年秋に完成予定だ。
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株式会社スペック 代表取締役社長地ビール工房 RISE & WIN Brewing Co.田中 達也さん
たなか・たつや/1969年生まれ、徳島市出身。食品衛生管理業務を行う株式会社スペック(本社・徳島市川内町)代表取締役社長。2011年、上勝町から地域活性化の相談を受け、翌年に一般社団法人・地職住推進機構を設立。2013年、量り売り主体の上勝百貨店を開設。2015年、同店を地ビール工房RISE & WIN Brewing Co.に改変。東京・東麻布にも出店し、OEMも行っている。
RISE & WIN Brewing Co.BBQ & General Store徳島県勝浦郡上勝町大字正木字平間 237-2tel.0885-45-0688定休日/月・火曜
RISE & WIN Brewing Co.KAMIKATZ TAPROOM東京都港区東麻布1丁目4-2THE WORKERS & CO 1Ftel.03-6441-3800定休日/不定休
http://www.kamikatz.jphttps://kamikatz.stores.jp/(オンラインショップ)
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